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インドネシアの給与

経済成長を続けるインドネシアでは、日系企業をはじめとする外資系企業の進出が加速しており、日本人を含む外国人労働者の需要が高まっています。現地での就職を検討する際、最も気になるのが給与水準と生活の実態です。

インドネシア給与目安:職種別・役職別の月収

2025年5月現在、1インドネシアルピア(IDR)は約0.0089円で推移しており、給与はルピア建ての月収ベースで提示されるのが一般的です。

以下は、代表的な職種における一般職と管理職の月収例(日本円換算)です。特に建設・インフラ分野や経理・財務、技術職の管理職レベルでは、月収50万円を超えるケースもあり、高い専門性が評価される傾向にあります。

(※1RP≒ 0.0089円、2025年5月時点の為替レートに基づく)

職 種

一般レベル

管理職レベル

内勤事務/総務等

1,500 ~ 3,000万RP(約133,500円〜267,000円

​2,000 ~ 4,000万RP(約178,000円〜356,000円

​​経理・財務

2,000 ~ 3,000万RP(約178,000円〜267,000円

​3,000 ~ 5,000万RP(約267,000円〜445,000円

カスタマーサービス

1,200 ~ 2,000万RP(約106,800円〜178,000円

​1,500 ~ 3,000万RP(約133,500円〜267,000円

営業

1,500 ~ 2,500万RP(約133,500円〜222,500円

​2,500 ~ 5,000万RP(約222,500円〜445,000円

技術(製造業)

2,000 ~ 3,500万RP(約178,000円〜311,500円

​3,500 ~ 4,000万RP(約311,500円〜356,000円

技術(建設/インフラ)

2,500 ~ 4,000万RP(約222,500円〜356,000円

​3,500 ~ 6,000万RP(約311,500円〜534,000円

IT(※ヘルプデスク等含む)

1,500 ~ 2,500万RP(約133,500円〜222,500円

2,500 ~ 4,000万RP(約222,500円〜356,000円

※上記はあくまで目安であり、企業規模、地域、経験年数、スキルセットによって大きく変動します。

生活コストとのバランス:物価の安さが実質収入を押し上げる

インドネシアは、日本と比べて物価が非常に安く、家賃、食費、交通費などの生活コストを抑えることができます。たとえば、都市部でも家賃は日本の半額以下というケースが多く、月収20万円台でも十分に快適な生活が可能です。

そのため、実質的な可処分所得は高くなりやすく、貯蓄や余暇に回せる余裕も生まれやすいのが特徴です。

現地平均との比較:日本人の給与は平均の3〜10倍

インドネシアの全体の平均月収は約500万ルピア(約45,000円)とされており、日系企業や外資系企業で働く日本人の給与はその3〜10倍に達することもあります。これは、語学力や専門性、マネジメント経験などが評価されているためです。​

インドネシアのボーナス

宗教行事に連動した「THR」や業績連動型の支給も

インドネシアで働く外国人労働者が増える中、給与だけでなくボーナス制度にも注目が集まっています。日本とは異なる文化や法律のもとで運用されるインドネシアのボーナス制度は、宗教行事と企業業績の両面に基づいて構成されており、現地での就労を検討する際にはその仕組みを理解しておくことが重要です。

インドネシアでは、企業の業績や個人の評価に応じて、0.5か月から最大5か月分程度の業績連動型ボーナスが支給されることがあります。これは法的義務ではありませんが、社員のモチベーション向上や人材確保のために導入している企業が多く見られます。

一方、法律で支給が義務付けられているのが「レバラン手当(THR)」です。これは、イスラム教の断食明けの祝祭「レバラン(イドゥル・フィトリ)」の前に支給される特別手当で、勤続1か月以上のすべての従業員に対し、基本給と固定手当を合わせた1か月分が支給されることが労働法で定められています。

THRの支給対象には、外国人労働者も含まれます。インドネシア国内で雇用契約を結んでいる限り、国籍に関係なく支給義務が発生します。ただし、企業によっては制度を正しく理解しておらず、外国人に支給していないケースもあるため、雇用契約書にTHRの有無が明記されているかを確認することが重要です。

THRは、レバランの1週間前までに一括で支給される必要があり、遅延した場合には企業に対して5%の罰金が科されることも法律で定められています。また、退職予定者や契約終了予定者であっても、レバランの30日以内に在籍していれば支給対象となります。

インドネシアのボーナス制度は、宗教文化に根ざしたTHRと、企業独自の業績評価によるボーナスの2本柱で構成されています。現地で働く際には、給与だけでなく、これらの手当や支給条件も含めて総合的に確認することが、安心して働くためのポイントとなります。

海外転職:インドネシアの福利厚生・諸手当

住宅手当から医療補助まで、企業ごとに異なる支援制度

インドネシアでの就職を検討する際、給与と並んで重要な要素となるのが福利厚生や各種手当の内容です。現地では企業ごとに制度が大きく異なるため、就職前にしっかりと確認しておくことが求められます。

インドネシアで一般的に提供される福利厚生には、住宅手当、交通手当、健康保険、一時帰国費用、通信費補助などがあります。特に住宅手当は手厚い傾向があり、月額700〜1,000米ドル程度が支給されるケースが多く、企業によっては社宅を提供することもあります。

通勤に関しては、公共交通機関の利用を求められることは少なく、社用車による送迎や運転手付きの車が提供されるのが一般的です。これに加えて、タクシー代の補助や通勤手当が支給される企業もあります。

医療補助については、以下の3つの制度が主に活用されています:

  1. BPJS(インドネシアの国民健康保険)
    外国人であっても、6か月以上の就労契約がある場合は加入が義務付けられており、企業が保険料の一部を負担します。配偶者や子どもも対象となるため、家族帯同者にとっても安心です。

  2. 民間医療保険
    BPJSだけではカバーしきれない医療ニーズに対応するため、企業が民間保険に加入させるケースが多く、提携病院での診療が可能となります。

  3. COB(Coordination of Benefit)制度
    BPJSと民間保険を組み合わせて、差額ベッド代や高額治療費をカバーする仕組みです。より充実した医療サービスを受けたい場合に有効です。

一部の企業では、海外旅行傷害保険に加入するケースもありますが、これは医療補助の中心ではなく、出張や緊急時の補完的な制度として位置づけられています。

インドネシアでの就労においては、給与だけでなく、福利厚生や手当の内容が生活の質を大きく左右します。特に住宅や医療、通勤に関する支援は、現地での生活を快適にするための大きな要素です。企業ごとに制度が異なるため、就職前に雇用契約書やオファーレターを通じて詳細を確認し、自分に合った環境を選ぶことが成功への第一歩となるでしょう。

インドネシアにおける就職・転職に関するご質問またお困りごとなどがございましたら、お気軽にご相談ください。

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