キャリアをどう伸ばすか──それは多くのビジネスパーソンにとって、まるでパズルのような問いです。自己成長とキャリアアップを目指す中で、実際にどのような行動が効果をもたらすのでしょうか。
今回、専門職398名を対象に実施された調査から、キャリア成長に役立つ具体的な行動とその傾向が明らかになりました。調査結果からは、性別によるアプローチの違いや、企業が見落としがちな支援のギャップも浮かび上がりました。
調査から見えた4つの傾向
1. 最も支持されたのは「新たな挑戦」(37.9%)
男女ともに「コンフォートゾーンを抜け出すこと」がキャリア成長に最も効果的だと考えており、男性は37.4%、女性は39.2%がこの選択肢を支持しました。これは、行動を通じた学びが最も実践的であるという認識を示しています。
2. 男性は「人脈」、女性は「スキル習得」を重視
男性の31.5%がネットワーキングを重視しているのに対し、女性は25.5%とやや低め。一方で、女性の29.6%がスキルアップを重視しており、男性(24.9%)よりも高い傾向が見られました。これは、女性がキャリアを切り拓くために、より継続的な学習を必要と感じている可能性を示唆しています。
3. メンタリングは活用されていない(6.1%)
キャリア加速の手段として知られるメンタリングですが、実際には最も支持が低く、男性6.2%、女性5.6%とほぼ同水準でした。間接的かつ長期的なアプローチと見なされていることが背景にあると考えられます。
4. 自発的な戦略が好まれる傾向
「挑戦」や「ネットワーキング」といった自己主導型の戦略が上位を占める一方で、メンタリングや学習といった外部支援型の手法は下位にとどまりました。これは、従業員が自らの成長を自分でコントロールしたいという意識の表れでもあります。
なぜ「挑戦」がキャリア成長に効くのか
スキルの習得:新たな課題に取り組むことで、自然と新しいスキルが身につき、既存のスキルも磨かれます。
可視性の向上:困難な業務に挑む姿勢は、上司や同僚からの評価につながり、昇進や新たな機会を引き寄せます。
レジリエンスの強化:挑戦を乗り越えることで、精神的な強さが養われ、長期的なキャリアにおいて重要な資質となります。
人脈の拡大:新しいプロジェクトは、他部署との連携を生み、ネットワークの広がりにもつながります。
挑戦をキャリアに取り入れるには
上司に相談する:成長意欲を伝えることで、適切なプロジェクトやタスクを紹介してもらえる可能性があります。
社内外の機会を探す:現在の職務にとらわれず、他部署や新しい職場での挑戦も視野に入れましょう。
恐れずに飛び込む:挑戦には不安がつきものですが、その一歩が成長のきっかけになります。
企業ができる支援とは
挑戦を促す文化の醸成
挑戦を促す文化の醸成
成長の機会を積極的に与える職場づくり背伸びが必要な仕事へのチャレンジ機会の提供(=ストレッチアサインメント)
少し難易度の高い業務や新しい役割を任せ、成長を促す新規プロジェクトへの挑戦を奨励
新しい取り組みに手を挙げやすい環境づくり挑戦した従業員への評価と報酬
努力や成果を正当に認める仕組み
メンタリングの活性化
メンタリングの活性化
経験豊富な社員が若手をサポートする制度の整備若手がベテランに視点を提供する仕組みの導入(=リバースメンタリング)
若手社員がデジタルや新しい価値観を共有し、上司や先輩の学びにもつなげるリーダー育成プログラムへの統合
挑戦や学びをリーダー育成と連動させる
ネットワーキングの機会創出
社内外の交流イベントや業界カンファレンスへの参加支援
継続的な学習機会の提供
社内研修、ウェビナー、資格取得支援など、学び続けられる環境づくり
最後に
キャリアアップは、経験・人脈・学びの積み重ねによって築かれます。今回の調査からは、「挑戦」や「ネットワーキング」といった自発的な戦略が好まれる一方で、組織による支援が十分に活用されていない現状も見えてきました。
企業は、挑戦・学習・人脈・メンタリングをバランスよく組み合わせた成長戦略を推進することで、従業員が主体的に成長できる環境を整えることが求められています。
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